再エネ賦課金とは何か家計や電気料金への影響を徹底解説

再エネ賦課金とは何か家計や電気料金への影響を徹底解説
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この記事の監修者

田中 健一(エネルギーコンサルタント/元大手電力勤務)

資格:電気主任技術者・エネルギー管理士
法人・個人向けに電気料金削減や再エネ導入を支援。信頼できるエネルギー情報を発信しています。

再エネ賦課金は環境投資であり家計負担でもある。制度を理解し、省エネや料金プラン見直しで賢く対策することが重要。

電気料金の明細をよく見ると、「再エネ発電賦課金」という項目が記載されているのをご存じでしょうか。これは再生可能エネルギーの普及を目的として導入された制度に基づくもので、家庭や企業で使用する電気料金に上乗せされる重要な費用です。

しかしその仕組みや計算方法、家計への影響については意外と知られていません。

この記事では、再エネ賦課金の基本から、その背景、家計に及ぼす影響と今後の見通し、さらに賢く負担を軽減する方法までを分かりやすく解説します。

この記事を最後までお読みいただければ、以下のことが明確になります。
  • 再エネ賦課金はFIT制度を支える費用で、電気使用量に応じて全利用者が負担。
  • 単価は全国一律で毎年見直され、使用量が多い家庭ほど負担増。
  • 太陽光発電の普及と高い買取価格が負担増加の主因。
  • 家計には年間数千〜1万円以上の影響を与えるケースがある。
  • 節電、省エネ機器導入、プラン見直し、自家消費で負担軽減が可能。
記事の要約

再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を支える「固定価格買取制度(FIT)」の費用を全国の利用者で分担する仕組みで、電気料金に使用量比例で上乗せされます。震災後に導入され、太陽光発電の急速な普及や高い買い取り価格設定が背景にあり、近年は家計負担が拡大。単身世帯でも年間数千円、4人家族では1万円以上の負担となることもあります。今後は再エネ拡大と負担軽減の両立が課題で、制度見直しや支援策が進む可能性があります。家庭では節電、省エネ家電、料金プランの工夫、自家発電の活用で負担を抑えられます。


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この記事の監修者

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田中 健一(たなか けんいち)

エネルギーコンサルタント/元大手電力会社勤務
資格:電気主任技術者・エネルギー管理士

大手電力会社に15年間勤務し、法人契約や再エネ導入を担当。独立後は100社以上の電気料金削減をサポート。 政府や自治体の補助金申請支援にも携わる。正しい知識で企業や家庭が適切に選択できるよう監修を行っている。

目次

再エネ賦課金とは?仕組みと導入の背景をわかりやすく解説

専門家視点
  • FIT制度を支える国民全体の負担。
  • 震災後の原発リスク軽減策として導入。
  • 再エネ普及と社会的投資の側面が強い。
編集長

賦課金は「再エネを支える公共料金」であり、環境政策の柱。

再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるために導入された「固定価格買取制度(FIT制度)」を支えるための費用です。再エネで発電された電力は、電力会社が一定の価格で買い取ることを国が義務付けています。

しかし、その買い取り費用は電力会社だけが負担するものではなく、全国の電気利用者が分担して支払う仕組みになっています。この費用が「再エネ賦課金」として私たちの電気料金に上乗せされているのです。

制度が導入された背景には、日本が抱えるエネルギー政策上の課題があります。東日本大震災後、原子力発電に依存するリスクが社会的に大きく認識され、再生可能エネルギーの導入拡大が国の重要な課題になりました。その中で、国民全体で支え合う形で安定的に再エネを普及させるための仕組みとして、この賦課金制度が導入されたのです。

つまり、再エネ賦課金は「環境に優しい電力を普及させるための社会的な投資」と言うことができます。ただし実際には、電気を利用するすべての人に負担が及ぶため、その金額の動向は家計にも大きな影響を及ぼすようになっています。

編集長

請求書の内訳を確認し、賦課金がどう使われているかを意識しましょう。


電気料金に上乗せされる再エネ賦課金の計算方法とは

専門家視点
  • 「使用量×全国一律単価」で算出。
  • 単価は毎年度見直される。
  • 大家族・高使用世帯に負担が重い。
編集長

電気を多く使う家庭ほど、賦課金負担も大きくなる。

再エネ賦課金は、契約している電気料金の「使用量」に応じて加算されます。つまり、どれだけ電気を使ったかによって支払う額が変わるのがポイントです。全国一律で「1kWhあたり○円」という単価が毎年度決まっており、その単価を使用電力量に掛け合わせることで、実際の負担額が算出されます。

例えば、月に300kWhの電気を使用した場合、賦課金単価が1kWhあたり3.00円なら、単純計算で900円が電気代に上乗せされることになります。このように世帯ごとの使用量に応じて負担額が変わるため、大家族や在宅時間の長い家庭では、その金額が大きくなるのが一般的です。

さらに重要な点は、この単価が毎年見直されることです。国が再エネ買取に必要な総費用を試算し、利用者全体で分担する形で決まるため、年度によっては大幅に上昇するケースもあります。そのため、電力消費量がどの程度あるのか把握し、自分の世帯でどれくらいの負担になるかを確認することが重要です。

編集長

月ごとの使用量を記録し、自分の負担額をシミュレーションしましょう。


家計へ与える影響はどれくらい?毎月の負担額の目安

専門家視点
  • 単身世帯は年間数千円、4人家族は1万円超も。
  • 夏冬の冷暖房で負担増。
  • 心理的インパクトも大きい。
編集長

燃料費や基本料金上昇と重なり、家計負担感が強まっている。

再エネ賦課金は、近年の電気料金の明細でも一際目立つ存在になってきています。例えば、単身世帯で月200kWhを利用する場合、年間で数千円規模の負担になることが多いです。一方、4人家族で月400〜500kWhを使用する家庭では、年間で1万円前後の賦課金を支払うケースも珍しくありません。

光熱費の中でも電気料金の割合は大きく、さらに近年は燃料代や基本料金の引き上げも相まって、賦課金の負担感はより一層強まっています。とくに電気の使用量が増える夏や冬は、冷暖房や家電使用が増えるため、その分賦課金の負担も重くなる傾向があります。

こうした背景もあり、再エネ賦課金は「電気料金が高くなった原因のひとつ」として注目されています。実際には電力価格の変動や為替の影響もあるものの、消費者からすると毎月の請求書に確実に上乗せされる数字であるため、心理的なインパクトも大きいのです。

編集長

ピーク時の使用を抑え、エアコン・照明の効率化を心がけましょう。


再エネ賦課金が増加する要因と今後の見通しについて

専門家視点
  • 普及拡大と高価格設定が主因。
  • 新規導入分は買取価格が低下傾向。
  • 国の制度改革で負担緩和の可能性あり。
編集長

今後も再エネ導入は続くが、賦課金は調整段階に入る。

再エネ賦課金が上昇してきた要因のひとつは、固定価格で買い取る対象となる再エネ設備の増加です。特に太陽光発電の普及は飛躍的に進み、それに伴い電力会社が支払う買い取り総額も拡大しました。その費用を利用者全体で負担するため、必然的に単価は上がっていったのです。

もうひとつの要因は、制度導入初期に設定された「高めの買取価格」です。当初は普及を促すために割高な価格で電力が買い取られました。その負担が今も継続して利用者に転嫁されているため、賦課金の負担感が大きいのです。

ただし近年は新規導入分の買取価格は低下してきており、制度の見直しが進められています。

今後については、再エネのさらなる普及拡大と同時に、賦課金負担の抑制策も議論されています。国としてはカーボンニュートラルの目標を掲げているため再エネ導入は続く一方、家計負担の増加が社会的な問題になっているのも事実です。

制度改革や新たな支援策により、今後は徐々に賦課金の負担が緩和される可能性も指摘されています。

編集長

制度動向を注視し、長期的には自家消費や蓄電を検討。


賢く節約するための電気料金対策と再エネ制度の理解

専門家視点
  • 節電行動がそのまま負担軽減につながる。
  • プラン比較や再エネ導入で抑制可能。
  • 制度を「未来への投資」と理解することが重要。
編集長

工夫次第で家計負担を軽減しつつ、環境貢献も両立可能。

再エネ賦課金は使用量に応じて増えるため、まずできる対策は「電気の使い方」を見直すことです。省エネ家電への買い替え、不要な電化製品を長時間稼働させない、エアコンの設定温度を工夫するなど、日常的な節電が賦課金の負担低減にも直結します。

電力会社の料金プランを比較するのも有効です。同じ賦課金単価でも、基本料金や時間帯別プランを工夫することで総額を抑えられる可能性があります。また、太陽光発電や蓄電池を導入して自家消費を拡大することも、長期的には賢い選択肢となり得ます。

さらに、制度そのものの仕組みを正しく理解することも大切です。再エネ賦課金が「環境への投資」であることを理解すれば、単なる負担ではなく未来への貢献とも捉えることができます。家庭の工夫と制度理解をあわせて進めることで、電気料金と環境対応の双方を上手に両立することが可能になります。


再エネ賦課金は、私たちの毎月の電気料金に直結する費用でありながら、その仕組みや背景については十分に理解されていないことが多い制度です。

しかし、これは再生可能エネルギーの普及を国全体で支える仕組みであり、同時に家計と環境の双方に関わる重要なテーマでもあります。制度の仕組みを知り、自分の使用量や負担を把握しながら、節電や料金プランの工夫を取り入れることで、賢い家計管理につながります。

家計への影響を意識しつつ、持続可能なエネルギー社会の実現に貢献するという視点も、これからますます求められていくでしょう。

編集長

賦課金を「損」ではなく「持続可能性への参加費」と捉え、省エネ行動を継続。

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この記事を書いた人

経歴:大手電力会社で法人営業を10年以上担当。電力自由化後は、新電力の立ち上げに参画し、料金プラン設計や法人契約支援を経験。

コメント:「電気は“コスト”であり“資産”でもあります。企業も家庭も正しい情報で賢く選べるように、わかりやすい記事を届けます。」

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